君と僕らの三重奏 番外編 

〜永久に伴に・・・〜 −3−

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慎吾が帰る前の夜。

キースは、電話をしている慎吾の声に違和感を覚えた。

「はい・・・お父さま・・・わかりました。」

そこには、いつも元気な慎吾の姿は無かった。

慎吾は電話を置くとキースの姿を見て自嘲するように笑った。

「どうした?慎吾?」

キースは、ソファーに座り慎吾に横に座るように勧めて言った。

「俺は、家族といるのが怖いんだ。」

「家族と?」

「ああ。俺の家は建設業を幅広く営んでいる。

 そして、俺は優秀であることを求められる。

 俺はね。日本ではキースと同じなんだよ。

 何をしても楽しくない。

 家族それぞれは嫌いじゃないんだ。

 でも、俺は家の重さに耐えられない。」

「慎吾・・・。」

「キース。俺はキースといて本当に楽しかった。

 自分らしくいたいと思った。

 でも、あの家にいるのは窮屈で苦しい。」



キースは、しばらく考えて口を開いた。

「私も、慎吾が帰るのは嫌だ。

 慎吾を自分のものにしたいと思う。

 その気があるとは思わなかったが・・。

 でも、慎吾、私と関わることは時には死を招くんだ。」

「キース、それはどういうこと?」

「私の頭脳は世界中から狙われている。

 慎吾、私の両親は私を売ろうとして殺されたんだよ。」

「キース・・。」



キースは、暗い目をしていた。

「私は、誰かを好きになるのはやめようと誓った。

 それでも、君は何のためらいもなく私の懐に入って

 気がつくと、一緒にいるのが当たり前になっていた。」

「キース・・?」

慎吾は、キースの頭をもちあげ、キスをした。

「もう、2年だけ待って。

 俺は、着実に準備する。それには、キースの協力も必要だ。

 来年と再来年の夏は、俺に役立つことを教えて。

 高校を卒業したら俺は家を出る。

 そしたら、ずっと一緒だ。」

「慎吾・・・それで、いいのかね?」



慎吾はキースにキスをしながら言った。

「いいよ。俺の全てをキースにあげる。だから・・・。」

「だから?」

「死ぬときはそばにいて。そして抱きしめて。」

キースは、驚いたように目を見張った。

そして、慎吾にキスを落とす。




「慎吾・・・・俺を忘れることがないように

 印を・・・。体中に俺の印をつけてあげる。」

キースは、慎吾を抱きあげバスルームに連れて行く。

慎吾は、甘いキスに甘い溜息をつく。

「キース・・キース・・・もっと・・抱きしめて・・・

 キース・・・。」

慎吾はそう言いながらキースに懸命にしがみついた。

キースは慎吾に赤い印をたくさんつける。

「あ・・・・ん・・・キース・・・キース。」

慎吾が甘い声で喘ぐ。

「厭らしい子だね・・・慎吾は・・・もうこんなになっている・・・

 一回いけよ。」

キースが慎吾の楔をふっと握り軽くこすっただけで、

慎吾は厭々と首を振る。

「キ・・・ース・・だめ・・・・」

「ほら・・・・。」

キースはクスリと笑いながら言う。

「ああ〜〜〜。」慎吾は真っ赤になりながらキースの手の中で果てた。

それから、キースは慎吾が意識を飛ばすまで責め続けた。

まるで、この1年自分を忘れないで欲しいとすがるように・・。

慎吾も何度もキースの名を呼んだ。

慎吾もキースと同じ想いで何度も果てた。

 
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