君と僕らの三重奏

       第7章 君が隠してきたもの −6−

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「龍哉、起きてるか?」

和道と西條は、広い和室に布団を並べていた。

2人とも樹珠愛が心配で起きているつもりだったが

フィリップが注射をして、朝まで起きないと言うし、

隆道と修吾がついていると言ったので、

勧められるままに本家に泊まることにしたのだった。

「起きていますよ。和道様。」

西條は、片身を起こし和道の方に体を向けた。

「眠れないのですか?」

和道は起きあがって小さな声で「そっちにいっていいか?」と聞いた。

西條は、頷いて掛け布団を持ちあげると和道がさっと布団に入ってきた。

西條がぎゅっと和道を抱きしめる。

「やっぱり龍哉の腕の中って安心するな。」

「そうですか。」

「なあ・・龍哉。」

「どうしました?和道様。」

「俺は、今日樹珠愛の話聞いて思ったんだ・・。俺あいつを守ってやりたい。

 あいつの笑顔を見ていたい。でも、同時に龍哉にも守られたい。

 この腕の中でいつまでも抱きしめられたい。

 ただ、そう考えることは龍哉を裏切るようで辛かった。」

西條は、和道の頭をそっと撫でた。

「本当に和道様は正直な方ですね。私も正直に申しあげると

 樹珠愛様のお側にいますという言葉をあの時飲みこみました。

 私は和道様だけにお仕えすると決めておりましたのに

 申し訳ない気分になったのですよ。」

「俺は、お前がそう思うことを許す。なあ、龍哉。

 一緒に樹珠愛を守ってやらないか?」

「和道様・・・樹珠愛様に持っている感情は恋愛感情ですか?」

「龍哉、俺にもよくわからない。

 龍哉に対しては恋愛感情だ。お前に触れられたらいつもどきどきするし

 こうして抱きしめられたら心の底から安心する。

 樹珠愛に対しては、お前に対する感情とは違う。同情でもない・

 それでも、俺は独占欲が強いのかもしれない。

 あいつの横には他の男は立たせたくない。

 龍哉なら別だが・・・。」

「どうやら、和道様も私と同じ感情をお持ちのようですね。

 でも、樹珠愛様は、まだ若いです。

 だから、今は家族として見守っていかなくては・・。」

「ああ・・。龍哉、それでも俺は、将来誰かと結婚しなくてはいけない。

 これは、東条和道としての義務だ。他の女よりは、樹珠愛がいいと思う。

 俺と龍哉と樹珠愛と一緒に暮らして、子供を育てていくなら

 その子供は俺のような孤独な子供にならないだろうと。

 俺のわがままだとはわかっているが・・。」

「じゃあ、樹珠愛様を手放さない努力を致しましょう。

 もし、樹珠愛様がそれを承諾するなら、少なくても私は醜い嫉妬に駆られなくても済みそうですしね。

 それも私の我侭だと承知していますが・・・。」

「龍哉・・樹珠愛に対して俺はお前には嫉妬しないから。」

「おかしいですね。私もです。」

二人は顔を見合わせてクスクス笑った。




「でも・・・。こんなことを考えるのはやはり和道様だけですよ。

 樹珠愛様はまだ幼いですからね。」

西條は、そう言いながら和道の唇に首筋にキスの雨を降らす。

「あ・・・あ・・龍哉・・・。」

和道は潤んだ目で西條を見あげる。

「いけませんね。ここは本家ですし・・・。」

西條は綺麗に微笑みながらそう言った。

「龍哉・・声出さないようにするから・・・ね・・・っ。」

「しかたありませんね。」

西條は、布団を二人の上に被せた。

敏感なところにキスの雨を降らせると和道は甘く喘ぐ。

「あ・・・ん・・・早く・・龍・・・や・・。」

「おや・・・声を出さないようにするんですよね。」

西條はそう言いながら和道の秘所に指を入れる。

「タツヤ・・がまん・・で・・きないよ・・焦らさないで・・・」

奥まで西條の長い指が入ってきて弱いところを突かれる。

「あ・・・。」

唇を噛みしめるように耐えている和道はすごく、色っぽい。

「声漏れそうなら、このタオルでも噛んで下さいね。」

西條がそういいながら和道の腰を浮かせると自分の熱い楔を

ぐっと入れる。

「あ・・・・」和道の瞳はうっとりしており、甘い声が漏れる。

「本当、厭らしくて可愛い人だ。ほら、いきなさい。」



西條が耳元で低い声で囁きながら激しく腰を動かす。

和道は西條にすがろうと腕をその背に回し、目の前が真っ白になった。

「た・・つや・・でも・・ずっと・・そばに・・・。」

そう言って果てながら気を失った和道に西條はキスをしながら囁いた。

「ええ・・ずっとおりますよ・・愛しております・・。」




 
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