君と共に紡ぐ調べ

       第4章 金ノ卵 −5−

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「あーーーっ・・・リュ・・・リューゼ。」

向かい合う形でリューゼの膝の上に乗り慧は夢中で

リューゼにしがみつく。


「どうしたかな?慧・・・?」

リューゼはそう言いながら巧みに腰を動かし

熱くて大きい楔で慧の奥を突く。


「だめ・・・この感じ・・。」

慧は、熱いものが奥に逆流する感じに

まだ慣れていない。


「慧・・・身を任せろ。」

リューゼは思いっきり奥まで突きあげる。

「あああ・・・・・・あああ・・・あ・・・・ん。」


もう、何も考えられない・・・


リューゼが奥で放つのを感じながら

慧はゆっくりと意識を手放した。





「ケイは、相変わらず?」

言葉少なにジークが聞くとファルは頷いて言った。

「ええ。リューゼ様と一緒に寝室へ・・・。」

「あ〜〜〜。じゃあ、戻ってこないなあ。」

ジャンが言う。


「ところで、皆様はリューゼ様に言われたとおり仕事減らせましたか?

 私は、引継ぎ作業が多くて・・・。」

「ニコライ、私は無理ですよ。まだ仕事が山積みです。」

ファルは眉を顰めながら言った。


「でも、リューゼ様がそういうと言う事は何かあるのだろう。

 俺も仕事減らすようにしているがね・・・。」

サイシュンが困ったように言った。


「俺は、イツァークが全部割り振ってくれたから大丈夫。」

「アハドもか?私の仕事は元々ケイの護衛だから問題ないし

 その他も適当にガイが振り分けてくれた。」

「僕も、アハドやアルとこと一緒でルネが考えてくれたよ。」

ルイもにこやかに微笑みながらそう言った。


「我も、聖獣の世話はフェルがしてくれることになった。」

「ジークもかあ。いいなあ。みんな・・・

 ロベルトはさぼりが趣味だから仕事減らないな。」

ジャンが顔を曇らせて言った。



「ロベルトがそうなら、私が言ってあげますよ。」

目をあげると、ちょうど部屋に入ってきたイアンがいた。


確かにロベルトはイアンには弱い。


「リューゼが仕事を減らすように言うのは、

 やはり、銀の龍のことを心配してだと思いますしね。

 ロベルトと仕事を押し付け気味の

 リュークにはきつく言っておきますね。

 あと、ニコライ。引継ぎが進まないようなので私も手を貸します。

 執務室に来てください。」


イアンはそう言うとニコライと共に部屋を出て行った。

「確かにイアンに言われると反論できないですね。」

「そうだな。ファル。」

ジークが相槌を打った。


イアンは、聖職者で教育家であるため、声を荒げることはない。

相手の話をきちんと聞いて諭すので、

賢者として有名なリュークでさえも反論ができないのである。





慧は、夜になってようやく目を覚ました。

昼ごはんを食べた後、リューゼが来て抱かれ記憶を飛ばしたのだ。


「あっ。寝室変わっている・・・。」

この宮は子供を作るための宮なので、主寝室が3室あり、

バスルームで繋がっている。


リューゼは慧を抱いた後、バスルームで体を拭き

別の寝室に寝かしてくれる。

元々はバスルームに体を清浄する者がいたそうだが

リューゼが断ったらしい。


この宮の侍従や侍女は、できる限りその存在を消している。

廊下も二重構造になっているらしく、掃除も

皆が眠った時間にしているらしい。


宮の1階の一部分は、王城から人が入れるので

決められた時間の食事はそのスペースに作られた

食堂で王城の侍従から給仕を受けて食べる。


そして、その時間に食べられない者は

呼び鈴を鳴らすとその部屋のドアの前まで食べ物が届けられるようになっている。


その時も使用人の廊下からワゴンだけがでてくるので

誰が運んでくるのかもわからない。


だからこの宮で慧が顔を知っているのは出産の為にこの宮に住んでいる

蒼龍の医師数人だけである。


「うーーーっ。もう一眠りしたいけれど食べなきゃ、

 リュークとファルとリューゼに怒られるからなあ。」

慧はそう呟いて呼び鈴を鳴らした。


するとサイシュンが湯気のたったワゴンを押して入って来た。

慧の場合、腰が立たなかったり具合が悪くてベッドにいることが

多いので銀の龍達が世話を焼いてくれるのだ。


「あっ。」

慧は嬉しそうにサイシュンを見あげた。


目の前には薄いピンク色のごはんが盛られていた。

おかずも慧好みのあっさりしたものだ。


白龍には独自の食文化があり

この薄いピンク色のご飯のような穀物を主食とする。

これがご飯と同じ味で慧も大好きなのだ。


しかし、その穀物はなかなか手に入らない。

「リンエイが持ってきてくれたんだ。」

「うわぁ。後でお礼言わなくちゃ。

 サイシュンも料理作ってくれてありがとう。」

白龍の銀龍サイシュンは、趣味が料理なので

王城のシェフが作れない白龍独自のおかずも

作ってくれるのだ。


「最近、食欲が無いと聞いて作ったんだ。

 とにかく、たくさん食べて体力をつけろ。」

「いただきます。」

久しぶりに食べるご飯の味は美味しかった。


最近あまり食が進まない慧が

パクパク食べるのを見てサイシュンも安心したように微笑んだ。



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