獅子抱く天使

   3 天使の兄弟は守護天使? −8−

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「お望みどおり解決したぜ。」

菅生はそう言いながら事務所に入った。


「当たり前です。お疲れ様です。」

佐々木が労った。



菅生は、車で着替えていつもより多めに香水をつけている。

血の臭いを消す為だ。



「佐々木ちゃん、俺惚れたかも・・・。」

「佐々木ちゃんは、やめてください。

 ところで惚れたって誰に惚れたのですか?」


「まーちゃん・・・。」

「まーちゃん?せっかく、労わろうと思って

 ホテルに綺麗どこを呼んでおいたのですが、キャンセルしましょうかね。」

菅生は、暴れた後は興奮が抑えられなくて

いつも何人もの女を抱き尽くすのだ。



「いや。好意はありがたく貰うぜ。

 じゃあ、俺会長に報告して帰る。」

「お疲れ様でした。私は事務所に泊まって動向をみます。

 最も、もう既に情報操作が為され、表面上は何事もないようになっております。」

「あんまり、根を詰めるなよ。

 しかし、これから楽しみになるな。」

菅生はそう言いながら手をひらひら振りながら出て行った。






上村は、電話を切るとそばに座っていた馨の耳に

息を吹きかけながら甘噛みすると、それだけで「あ・・・。」と甘い声を漏らした。



シャツを肌蹴させ、胸元の飾りを、優しく舌で転がすと、

熱くなった馨は上村の名前を呼んだ。



「あっ、はぁっ・・・ん、や、ひろ・・・き・・・さ・・・ん」

「馨。お前を抱いてるのは誰だ?」

ベッドの上に運びながら上村は少し意地悪に言う。



「うん・・・大樹・・・さ・・・ん・・・ひろ・・・き」

優しい愛撫に、馨は溺れそうな感覚に必死に上村に抱きつく。

その必死さも上村には愛おしく感じる。




離れたくないと思う気持ちがお互いを支配し、密着する肌のぬくもりさえ心地よい。

白い胸に唇を落しつつ、指を下腹へと這わせて

服を脱がせると、既に蜜をにじませている馨のものが硬くなっていた。


「あ・・・・ん・・・・」

「馨・・いっちゃだめだ。」

上村は馨の根元を指で押さえて口に含むと、馨が甘い声をだす。

「あ・・・・ん・・・・お願い・・・だめぇ。」



馨のものを口に咥えて、わざと音をたてて舐めあげると、

それだけで上村の肩に抱えあげられた馨の両足が震えだした。

「あっ、ああっ・・・お願い・・・もうっ・・・だめ」

爆発寸前まで高められているのに、根元を押さえられているからいくこともできず、

馨は涙を流して言った。



「ひろき・・さん・お願いっ。もう・・・おねがい・・・」

「なんだ?」

「いきたいの・・・。」馨は真っ赤になりながら言った。


上村は抑えていた根元から指を離し、馨のものをジュルッと吸いあげた。

「あっ、ああっ ・・・・」

途端に馨の背が反り返り、上村の口中に放った。

「いやぁ・・・・。」


上村がなおも吸いあげると、馨の身体が震える。

「あっ、あっ・・・ん・・・僕だけじゃいや・

 ・・いっしょ・・・がいいよぉ・・・」




上村は微笑みながら馨を抱きかかえ、いきり立つ己の楔の上に馨を引き落とした。

「やっ・・・あああっ!」

馨の蕾は大樹の楔をを熱く締めつけ、ひくひくいっている。



「ふっ・・・熱いな、馨」

「あっ、ああっ・・・」

まるで絡みついてくるような内壁に、上村は馨の腰をつかんで激しく上下しはじめた。

「あっ・・・やっ・・・・・・」

的確に馨の感じるところを攻める上村に、馨の方はただただ縋りつく。



腕の中で泣きながら許しを請い、乱れる馨がたまらなく愛おしい。

「やっ、もう、だめ・・・ひろき・・・さん・・ああ・・あ・・・・あ・・・」

「くっ・・・馨・・・。」

激しく突きあげると同時に、馨の身体が反り、

上村も、その最奥に己の欲望の全てを放った。



「どんなお前でも愛してやる。

 お前の家族が反対しようが、味方になろうが、離さない。

 まあ、お前の家族はお前の強力な守護天使みたいだが・・・。」

面と向かってそう言えない不器用な獅子はぐったりした天使を抱きかかえてそう呟いた。





 
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