「今日は、割とのんびりした日だなあ。」
「ええ。株も落ち着いてきているし、良かったですね。
あっ。菅生さん、昔伝説の総長だったって本当ですか?」
「何?伝説?伝説ってほどじゃないよ?
それに俺の上の代に本当に伝説になっている総長がいたんだよ。」
「えーーっ。だって、この前事務所の若い人が菅生さんの話の1つとして
菅生さんの高校時代かっこ良かったって話してましたよ。」
「ちょっと、そんな話してたの誰・・・?」(眼鏡がキラリと光る。)
「ええ・・・ぇえええ・・・誰だったかなあ(汗)」
「まあ、忘れたなら仕方ないなあ。(後で見つけて締めるけど)」
「・・・なんか・・物騒なこと・・考えてないです?」
(意外と鋭いんだよねぇ・・・。)
「いや、伝説の総長と言えば、漆黒の豹って言う人が有名でねぇ。」
「何?その漆黒の豹って人、菅生さんの知り合いですか?」
「いや、俺の生まれる前の話だからね。何たって漆黒の豹が引き連れていた
兵隊は、千人とも二千人とも言われるからねぇ。」
「でも、菅生さん、そんな有名な人ならどこかで会うことが出来るんじゃないですか?」
「いや、それが急に高校と同時に族を解散させてどっか行ったらしいんだ。」
「今、何をやっているのかなあ?」
「俺も興味あったから調べたんだけど、名前の一部を知ってるだけ。
どうやら、栞って名前だったらしい。
いやぁ、俺も話聞いて、この人だけは会ってみたいって思ったんだけど。」
(何だか・・どっかで聞いた名前だなあ。)
「写真とか残ってないんですか?」
「ああ、特別ルートで1枚だけ。
ほら、PCに取り込んでいるから見せるよ。」
(馨、PCを覗き込んで固まる。)
「どうした?」
「菅生さん・・・この人、僕知ってる人かも・・・。」
「えええええ・・・・。何で?知ってるの?」
「いや、この人、そこそこ有名人だよ。俺の父親。」
「うそっ・・・・・。会いたいけど・・・あんまり会いたくないかも・・・。」
「・・・・・。」
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