あたりがぱっと光り
青い光と共に理緒が消えると、
美香子はそのままへなへなと座り込んで
理緒が消えた空間をぼーっと見つめた。
義哉は美香子の後ろに行くと、後ろからぎゅっと
抱きしめた。
「理緒・・・行っちゃたね。」
「ああ。」
美香子の目からポロポロと涙が零れた。
「急に来て、急に行っちゃうんだね。」
「そうだな。」
「なんで、咄嗟の時、おなかこわさないでね。としか言えなかったのかなあ。」
美香子は義哉に凭れかかりながらそう言った。
「理緒はちゃんとわかってくれるさ。」
義哉は美香子の髪を撫でながら言った。
「義哉さん、もう誕生日に宝石いらないよ。」
「うん・・・・。俺は急に消えないからな。母さん。」
「うん・・・一緒に年取っていこう・・・ね・・・。父さん。」
美香子はそう言いながら義哉に抱きついた。
「理緒に、ありがとうって言いたかった。
幸せになってって。言いたかったよぉ・・・。
理緒・・・リオ・・・・・・。」
美香子は義哉の胸に顔をうずめて泣きながら言った。
義哉は、美香子の背中を撫でながらマンションの部屋を
見渡した。
決して広いとは思えないマンションの部屋が理緒がいないだけで
随分、広く見えた。
・・・・理緒、幸せになれ。・・・・
義哉はそう願いながら幼子にするように美香子の頭を撫でた。
その頬には一筋の涙が流れていた。
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