「リューレ、本当はもう少し早く大きくなれるだろう?
なんで、成長を押さえているのだ?」
「だって、おかあさま、だっこしてくれなくなるといやだもん。」
「そうは言ってもその成長速度は遅すぎるだろう。
ほぼ人並みだぞ?」
「だって、かあさま、こそだてのロマンがくずれるって・・。」
「まったく、慧は・・・。」
「ぼくだって、こどもらしくするのつかれるんだぞ。
みんな、おこちゃまあつかいするんだから。」
「なら、早く成長すればよいのに。中身は15才位になっているはずなのだが・・・。」
「そーいう、父様だってせいちょーおくらせていたくせに。」
「ごほん。わたしにも事情があったのだ。それよりも執務室にいりびたるな。」
「だって、ぐち聞いてもらえるの父様だけだもの。」
「やれやれ、さあ、慧も呼んでお茶にでもしようか。」
「さんせー。」
・・・・・・・
数分後。
「あれ?また、リューレここで寝ている。
よっぽど、リューゼのこと好きなんだね。」
「そう・・・なのかな・・・。」
・・・やれやれ。いくら中身が15歳並みでも
見た目は3歳だから3歳の体力しかないし、口も回らない。
教えてやった方が良いか・・・それとも・・・・
まあ、これ以上慧との時間を妨害されるのも・・・
まあ、今はこれで良いか・・・。
「リューゼ?どうしたの?」
「いや、慧。何でもない。」
こうして、王城の午後は過ぎていくのでありました。
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